女性行政の充実を求めて~対県交渉に参加して
県民連絡会(県民要求を実現し、県政の革新を推進する連絡会)は神奈川県内の幅広い団体などで構成され、
歴史と伝統を持ち、県民の要求実現のために運動を進めています。
どのくらい幅広いかというと、私たち労働組合が加盟している神奈川労連の関係はもちろんのこと、
横浜こどもを守る会、母親連絡会、神奈川県保険医協会、県立図書館を良くする会、
大気汚染測定かながわ連絡会、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、等々…
資料としてもらった手元の表をかぞえると、なんと97もの大小さまざまな団体の名前がびっしりと書かれていて、
それぞれどの分野の交渉に参加するか丸印がついています。
こうやってこの表を目にするだけでも、県内だけでもいろいろな運動があって、
たくさんの人がその運動に携わっているんだなぁと、あらためて思いますね。
さて、この県民連絡会が毎年行っている「一斉対県交渉」があるのですが、今年は11月4日からスタートして、最終日は11月15日でした。
内容もこれまた幅広く、①教育・文化・スポーツ ②農業 ③環境・開発 ④行財政・民主主義 ⑤住宅・まちづくり ⑥平和・基地・国際連帯 ⑦保健・医療 ⑧労働 ⑨女性 ⑩くらし ⑪社会福祉 の全部で11の分野に分かれています。
私たち県民側の団体が予め神奈川県に対して質問を投げて、県から交渉前までに一定の回答があり、それを基礎にして具体的な交渉がここで行われるのです。
私は半休を取って、11月9日に行われた「女性」の分野に参加しました。
会場は波止場会館4階。
県側からは人件男女共同参画課長ほか専門分野の19名、団体側は約30名で、向き合って座りました。
司会者の指名によって、まず県民側の発言者が発言して、県の担当者が答えるといった具合です。
約1時間半の限られた時間で、
「政策・方針決定過程への女性の参画の推進」
「雇用等の場における男女の均等な機会と待遇の確保のために」
「出産・育児のための環境整備と男女平等・母性の尊重の普及啓発を強化するために」
「農業分野の男女共同参画推進のために」
「男女平等の推進と女性行政の充実のために」
「国に対してはたらきかけること」について、
県が示した回答の不十分な点を指摘したり、考え方を聞き出したり、
その場で少しでもいい答えを引き出して前進させようと参加者は皆頑張ります。
女性の62%もが非正規雇用を何と考える! 保育園に入りにくい!
収入が低いと思っている女性80%以上!
保育士・介護従事者や業者婦人の実態や妊産婦健診、健康調査はどのようにすすめていくのか!?
どのように改善していくのかいかないのか!
…具体的な数字や事例をあげて県に迫りました。
特に今回参加して、妊産婦健診の公費負担が神奈川県は最下位だったことをはじめて知りましたし、
相変わらず「お産難民」問題も解決していません。
こんなことでは少子化問題がなくなるわけがないと実感しました。
また、深夜業職場がかつてなく広がっている=女性の深夜労働が増加していることも、県は把握していませんでした。
殆ど平行線でかみ合わない交渉のやりとりを記録係として筆記していましたが、
終わった後には、自治とは何か…と、重たい気持ちになり、当日は打合せも含めてお昼までのたった半日でしたがとても疲れました。
そして、女性の分野だけでも問題が山積みで、だからこそ県民の声をしっかり届けることは大切なんだとつくづく思いました。
山本明子